サントロぺ
4日目の朝、シルバークラウドはサントロペの沖合いに錨を下ろした。南仏でも有数のリゾート地、古くから著名人も多数訪れている。少し街を歩くだけで、この地のクラスを誰しもが感じるだろう。
私は、シルバーシーの船に乗るとひとつの悩みがある。それはどんなに素晴らしい寄港地に連れて行ってくれようとも、根っからの船好きとしてはせっかくいい船に乗っているので、少しでもこの船に留まっていたいのだ。朝食はビュッフェのテラス席で。その後はプールサイドで日光浴。5月といえども、かなり日差しは強く、30分程度で日焼けする。昼はそのままプールサイドのグリルでチーズバーガーと生ビールを注文。たかがハンバーガー、されどハンバーガー。この船ではハンバーガーの焼き加減まで聞いてくれる。「ミディアムレアー」と注文すると、肉汁あふれる贅沢な一品が出てくる。
午後はテンダーボートでサントロペへ上陸。少し街を歩いてみた。店はこれから始まるバカンスシーズンに向けて、商品を綺麗に店頭に並べる。商店の中には地元の人のための花屋、八百屋も混在している。さらに歩を進めるとクリスチャンディオールのホテルが現れる。少し歩いているだけで、ここがただの田舎町ではないことが感じ取れる。
夕方のテンダーで船に戻り、7時からはシルバーシー社のリピータークラブ、ベネチアンソサエティのパーティーへと出かけた。今回の乗船客、100泊を超えている人がざらにいる。最高は600泊。最高のサービスに満足しているので、船を替える必要がないのだ。
今宵のディナーは、フォアグラのテリーヌ、トマト&モッツァレラ、マヒマヒのグリルを注文。フォアグラはテリーヌながらとろけるほどのやわらかさ、そしてフレッシュ。マヒマヒは熱々の皿で出てきた。
家人がデザートを少し残す。ウェイターがすぐに気にかけ、「何か他のものを注文なさいますか?」と言葉をかけてくれる。それはこのサイズの船だからこその気配りだ。
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